JUA(日本ウルトラランナーズ協会)

JUA(日本ウルトラランナーズ協会) >> レースレポート

レースレポート:カテゴリー

サロマ湖100kmウルトラマラソン 2010:06:29:15:38:35

2010年6月29日

暑さの中、3656人が挑戦
エリック・ワイナイナが快走、6時間39分52秒で優勝
50kmは男子岩山、女子小幡が好記録で優勝

第25回サロマ湖ウルトラマラソンは6月27日、北海道の湧別町・佐呂間町・北見市にわたるコースで行われた。参加人数は100キロ、50キロを合わせて、過去最高の3656人。
大会2日前から、当地の気温は急激に上がり、前日の26日は北見市で36℃、“全国一”の高さとなった。

018.jpg
100キロスタート前

022.jpg

湧別町をスタートする100キロは、招待選手で、フルマラソンで2度のオリンピック入賞をはたしながら、100キロ未経験であるエリック・ワイナイナが、日本のトップクラスの能城秀雄(エスフォルタ)、高橋雅一(東京陸協)らとどのようなレースをするかが注目された。

020.jpg
ワイナイナと能城選手

レース前半は、予想通り、ワイナイナ、能城、高橋らの集団が絶えず先頭グループを形成し、レースをリードしていた。55キロ地点まで、5分差をつけていたワイナイナだが、荒木孝文(ウィングアスリートクラブ)が徐々に接近、75キロ地点では並走状態。一時、荒木がワイナイナを抜くシーンもあった。ワッカ原生花園の入り口付近から、ふたたび先頭に立ったワイナイナが、追いすがる荒木を振り切って、ゴール・イン。猛暑に等しい悪コンディションにもめげず、6時間39分52秒で優勝した。


030.jpg
男子100キロ優勝のエリック・ワイナイナ(ライツAC)

2位は初100キロながらよく健闘した荒木で1分9秒差の6時間41分07秒、3位は前年の優勝者、能城秀雄(6時間46分51秒)と続いた。


045.jpg
100キロ男子、優勝のエリック・ワイナイナ(中央)
2位荒木孝文(ウィングアスリート)(左)、3位能城秀雄(エスフォルタ)

女子は松下栄美(東京陸協)が7時間49分31秒で、2年連続3度目の優勝に輝いた。今年の3月IAU100キロアジアチャンピオンシップで優勝した藤沢舞(札幌市役所)が8時間07分13秒で2位、3位は伊藤夕子8時間18分21秒。 

046.jpg
女子100キロ優勝の松下栄美(東京陸協)(中央)
2位藤沢舞(札幌市役所)(左)、3位伊藤夕子(武蔵ウルトラマラソン)

50キロレースは、男子が岩山海渡(千葉陸協)が3時間4分4秒で、女子は招待選手の小幡佳代子がそれぞれ優勝。ともに前年を上回る好記録だった。

047.jpg
男子50キロ優勝の岩山海渡(千葉陸協)(中央)
2位西澤悟志(山二発條)(左)、3位目移和行(雫石町陸協)

 

048.jpg
女子50キロ優勝の小幡佳代子(東京陸協)(中央)
2位永井真友美(eA茨城)(左)、3位永盛真由美

ワイナイナ選手は、レース後「80キロ地点では暑さで精神的にきつかったが、身体は問題なかったので、そこから頑張って飛ばした。来年は、世界新記録を狙いたい」と早くも意気込んでいた。

027.jpg
男子100キロ優勝のエリック・ワイナイナ(ライツAC)

なお、同大会100キロ登録の部、男女の上位各6人は、今年11月7日、ジブラルタルで開催のIAU100キロワールドカップの大会出場資格を与えられる予定。
また、50キロの男女各優勝者は、8月29日、アイルランドのゴールウェイのIAU50キロワールドトロフィー・ファイナルへの出場資格が与えられる予定。

成績:
■100k登録男子
1.Eric Wainaina(ライツAC) 6:39:52 (招待選手) 
2.荒木孝文(ウィングアスリート)6:41:07
3.能城秀雄(エスフォルタ)6:46:516:
4.原良和(蒼穹クラブ)6:48:41
5.高橋雅一(東京陸協)7:02:02
6.中台慎二(Harriers)7:07:10
7.松下剛大(東京陸協)7:13:22

■100k登録女子
1. 松下栄美(東京陸協)7:49:31
2. 藤沢舞(札幌市役所)8:07:13
3. 伊藤夕子(武蔵ウルトラマラソン)8:18:28
4. 片山志保(旭川走友会)8:36:07
5. 大八木和歌子(パナソニック電工陸上競技部)8:37:07
6. 大田美紀子(京都炭山修業走)8:37:41

■50k総合男子
1. 岩山海渡(千葉陸協)3:04:04
2. 西澤悟志(山二発條)3:18:53
3. 目移和行(雫石町陸協)3:3:25:37

■50k総合女子
1. 小幡佳代子(東京陸協)3:41:45(招待選手)
2. 永井真友美(eA茨城)3:56:11
3. 永盛真由美      4:13:56

■100k一般総合男子
1. 加山幸治(加登屋商店)7:31:21
2. 工藤貴裕(暇人28号)7:56:58
3. 新井拓也(ウィグライプロ)8:01:54

■100k一般女子総合
1.松沼佳子  9:22:49
2.池谷茂子  9:32:33
3.竹山直子(道マラソンクラブ)9:33:00


レースレポート 第8回 IAU 24時間走ワールドチャレンジ 2010 (2010年5月13~14日;ブリーブ・フランス) 2010:05:18:13:32:23

2010年5月18日

IAU24-01.jpg

日本チーム

 IAUが24時間走をウルトラランニングの主要競技種目と位置づけて世界大会を本格的に主催し始めて第8回となる2010年大会は、通算5回目の欧州での開催となり、初めてウルトラマラソンが特に盛んなことで知られるフランスで行なわれた。会場となったブリーブはフランス中南部に位置する瀟洒な町並みが美しい比較的小規模な地方都市で、大会は町を挙げての一大イベントとして大いなる盛り上がりを見せた。

 今大会は32カ国を代表する女子81人、男子153人の234人のエントリーがあり、いずれも24時間走の世界大会としては過去最高の数字となった。日本チームは男子6人と女子4人の計10人中半数の5人が初出場で、チームの雰囲気もフレッシュな活気を感じさせた。特に、レース前日のフラッグパレードや開会式は初体験の選手には深く印象に残った様子であった。団体6連覇のかかる男子チームにおいても、ほどよい緊張感を持ちながらも選手は食事、睡眠ともにしっかりとることができて、レースに向けての不安は感じさせなかった。

 大会当日の天気は前日までの雨模様からは好転し、気温12℃程度の曇り時々晴れと長距離走には好都合となった。スタートは変則的で、町の中心部から200mほど走ってから約1253mの公園内に特設された本ループに入る。コースのほぼ半分がダートで、かつ多くのコーナーやカーブ、さらには高低差1~2mのアップダウンを含むテクニカルなコースレイアウトであった。

 日本チームのエースの一人である井上真悟は、優勝と世界記録更新を強く意識してトレーニングを積んでレースに臨んできており、実際にスタート直後から世界的に有名なウルトラランナーであるアメリカのスコット=ジュレックのキロ4分10秒という非常に速いペースにも果敢に付いていった。
2時間もすると3月の100kmアジア選手権で優勝を飾った韓国選手やスペインの選手らを含む集団は徐々に崩れ始めて、井上もマイペースに落として様子を伺う展開となったが、3時間になる前には逆転して先頭に立つことになり、早くも追われる立場となった。小澤和彦も好調で、一時5位にまで順位を上げてきた。その他の日本の選手達は、概ね上位のハイペースに捉われることなくマイペースを保って着実な走りを進めた。

 井上はジュレックに1周差のトップで50kmを3時間45分前後で通過し、その後もほぼ平均キロ5分を維持して100kmは7時間50分を切り、世界記録への可能性を残した。
序盤にオーバーペース気味に飛び出した小澤は脚に変調を来たして大きくペースダウンを余儀なくされたが、代わって昨年、一昨年と連続銅メダルの境祐司が8時間の時点で6位まで順位を上げてきた。さらに、安孫子亮、竹田賢治、本田正彦らも堅実な走りで240kmを裕に超える記録が期待されるペースを刻んで順位を上げてきた。

IAU24-002.JPG

井上真悟選手

 一方、女子は元100km世界チャンピオンでここ数年は24時間走で常にメダル争いに絡んでいるモニカ=カシラギ(イタリア)を昨年の優勝者で地元フランスのアン・セシル=フォンテーヌが追いかける形となった。
日本女子選手は序盤に長瀬陽子が元気良く飛び出したが、大会前の交通事故のために練習量、体調が不十分だった影響か、一気に疲れが出てペースを落とした。逆に3年ぶり6回目の出場となった加村雅柄はベテランらしくしっかりとした足取りを刻んだ。今回の日本女子チームのエースである白川の作戦は前半抑えて後半に勝負をかけるというもので、その通りの走りを続けながらも着実に順位を上げた。

 

IAU24-003.jpg

白川清子選手

 フランスではサマータイムを採用しているため夜は9時過ぎまで明るく、ランナーにとっては助かる。中間点の12時間経過時で井上は149km超を走って12時間走のアジア記録を更新し、2位のジュレックには4周差をつけたが、後半の強さに定評のあるジュレックの追い上げを常に恐れて緊張感を緩めることなくさらに差を広げようと攻めの走りに徹した。また、本田、安孫子の両選手もまだまだ元気でさらに順位を上げた。女子は、フォンテーヌが本領を発揮して1位を独走し始め、白川も122km超の好ペースで8位に入ってきた。

 後半になって多くの選手が苦戦する中、日本選手の一部にも厳しいレースとなっていった。
兼平八寿子は幾度となくエイドテントに入ることが増え、胃を荒らした長瀬に至ってはメディカルエリアでの長時間の安静を強いられた。

 

IAU24-004.jpg

選手サポート


一方で、境は中盤も粘って3位にまで順位を上げて3年連続メダルが見えてきた。また、本田、安孫子の頑張りにより、日本男子は遂に14時間過ぎに団体トップに踊り出て、後半に勝負強い日本チームの面目躍如ともいえる展開となった。

 深夜から夜明けにかけては気温がかなり下がり、ほとんどの選手がジャケットを着込んだ。寒さに震えるサポートスタッフにも酷な状況となったが、日本選手の諦めない走りに勇気をもらい一睡もせず、座ることすらもなく選手を支えた。今大会からのルール変更で補給方法が制限されたが、日本チームの対応はそつが無かったと言えるであろう。

 終盤になっても先頭の井上は気持ちを緩めることなく着実にジュレックをラップして差を5~6周に広げ、力でねじ伏せて見事に初出場初優勝を飾った。記録も2008年の世界大会(韓国)で関家良一がマークしたアジア記録を400m弱更新する273.708kmに達した。ラスト4時間になって、境はイタリア選手の猛烈な追い上げにあい逆転を許したが、なんとか4位はキープした。本田はここで2時間ほどペースアップを試みる勝負に出て7位まで順位を上げた。反動でラスト2時間は我慢の走りとなったが、自己ベストを僅かに更新した。また、安孫子は240kmを超える大幅自己ベストの素晴らしい走りを見せて周囲を感動させた。女子の白川は一時5位が狙えるところまで来ていたが、他国のトップ選手の終盤の勢いにはかなわず、それでも220kmをクリアして7位になる健闘であった。その他の日本の男女選手も最後まで諦めない代表にふさわしい走りをした。

 今回の日本チームは、サポートスタッフの役割分担をある程度専門化させ、監督、ヘッドコーチ、エイドコーディネーター、コンディショニングコーチなどで構成する体制で臨んだ。果たして日本男子は見事に団体6連覇を達成し、選手層の厚さと組織力の質の高さをふたたび世界にアピールし、他国チームからも多大なる感嘆と賞賛をいただいた。 今世界大会も洗練された運営と多くの各国のトップアスリートの参加により素晴らしい大会となり、日本チームのメンバーも皆が大きな感動を得た。
今回の日本代表選手とて、決してフルマラソン等で特別な能力を持っているわけでない。一般の市民選手でも思わぬ超長距離種目の才能が潜んでいる可能性はある。さらに多くの日本選手がこのような舞台での活躍を目指すことで、ウルトラマラソンの強豪国日本の伝統が引き継がれていくであろう。

 

IAU24-005.jpg

男子個人の表彰

■競技結果 個人 


【男子】
1. 井上真悟(東京陸協)         273.708 km
2. Scott Jurek(アメリカ)        266.677 km
3. Ivan Cudin(イタリア)         263.841 km
4. 境祐司(club MY☆STAR) 258.907 km
-----------------------------------------------------------------------------
15. 本田正彦(M@HIRATSUKA) 246.063 km
20. 安孫子亮(ソニー厚木RC)      242.661 km
37. 竹田賢治(club MY☆STAR) 225.885 km
51. 小澤和彦(横浜中央走友会)  220.187 km
(出走151)

【女子】
1. Anne Cecile Fontaine(フランス)239.797 km
2. Monica Casiraghi(イタリア)      231.390 km
3. Julia Alter(ドイツ)                    230.258 km
-----------------------------------------------------------------------------
7.  白川清子(神奈川陸協)          220.986 km
25. 加村雅柄(24時間走チームJAPAN) 194.656 km
42. 兼平八寿子(大阪陸協)          178.251 km
60. 長瀬陽子(築上町陸協)          155.555 km
(出走78人)

 

■競技結果 団体(各国上位3選手の合計距離)


【男子団体】
1. 日本       778.678 km
2. イタリア   758.932 km
3. アメリカ   757.468 km

【女子団体】
1. フランス   685.800 km
2. イタリア   658.112 km
3. オーストラリア  654.863 km
----------------------------------------------------------------------------
6. 日本       593.893 km

 


日本女子ランナーが圧勝。男子は2位、3位を確保 2010:03:27:20:19:47

2010年3月27日

第1回IAU100kアジア・チャンピオンシップ 韓国・済洲島

第1回アジア100kチャンピオンシップは、3月27日、韓国の済洲島で開催された。チャンピオンシップに参加したのは、日本をはじめ、韓国、フィリピン、台湾、モンゴルのIAU加盟国・地域。一般の部のアジアでは、インドネシア、タイ、ヴェトナム、インドが参加した。日本代表として、男子が昨年のワールドカップ優勝の宮里康和(信太山自衛隊)、作田徹(作・AC)、大島康寿(栃木陸協)、女子が藤澤舞(札幌市役所)、山澤洋子(茨城陸協)、浅野貴子(リ・スタート)の6選手が出場。オープンの部では、48時間走の記録を持つ工藤真実選手が参加した。

Asian2010002.jpg現地では、大会の数日前まで、小雨、曇りで、海からの風が非常に強く吹きつけていたが、レース当日は、さいわいにも、晴れて、比較的穏やかな気候になった。

100キロのコースは、済洲島の龍頭岩地点をスタート、時計回りに西海岸の西帰浦ワールドカップ競技場をゴールとするもの。基本的には、海沿いをすすむコースだが、時には左右には大きく視野が広がる畑、菜の花が鮮やかに咲く農道、目を見張る青さで輝く海を目の前にする漁港を抜けたりと、変化に富んでいる。しかし、小刻みに襲うアップダウンのロード、絶え間なく向かってくる風は、ランナーをかなり苦しめたようだ。


Asian2010009.jpg IAU Asian 100k Championships Jeju Dong Mar 27 200 016.jpg 
  菜の花が咲く農道   目を見張る青さで輝く海

レースは、朝6時にスタート。圧倒的に日本が強いという予想通り、男子ではスタート直後から、韓国のリー・カンユ選手と宮里選手が先頭を切り、日本の2選手とリー・ドンムン選手(韓国)が大きく他を引き離す。30キロ地点で、早くもリー・ドンムンと宮里のマッチレースの様相となる。70キロ地点で宮里選手の動きがスムースでなくなり、先頭から少しづつ遅れだした。75キロ地点では、ついに歩き出し、「80キロでリタイヤする」と訴えてきた。残念ながら、かねてから傷めていたアキレス腱が、完走を阻んでしまった。優勝は後半、上位位集団を走っていた韓国のリー・ドンムン選手。
その後は、着実に走ってきた、作田選手、大島選手が後続を断って、それぞれ2位、3位とゴールに入った。

Asian2010003.jpg Asian2010004.jpg
  2位 作田徹選手(作.AC・北海道)   3位 大島康寿選手 (栃木陸協)


女子は藤澤舞選手が軽快な走りで、最初から先頭に立ち、最後まで独走状態。2位以下に40分以上の大差で優勝した。浅野選手と山澤選手は、前半は台湾の選手を挟んで走っていたが、後半以降は、二人で、長い間の併走となった。お互いに引っ張って、最後まで頑張り、浅野選手が2位、山澤選手が3位となった。

Asian2010005.jpg
1位 藤澤舞選手 (札幌市役所)

Asian2010006.jpg Asian2010007.jpg
2位 浅野貴子選手(リスタート・東京) 3位 山澤洋子選手(茨城陸協)
 


日本チームは、宮里選手のアクシデントを除き、女子が1位から3位まで独占。男子チームも、2位、3位と実力を発揮した。
なお、オープン参加した工藤真実選手は、女子では際立って早くゴールし、男女合わせた総合で5位(7時間56分06秒)、という成績で皆を驚かせた。

Asian2010000.jpg
総合5位 工藤真実 選手

(第9回目となる済洲島ウルトラマラソンは100キロレースのほかに、200キロ、50キロ、148キロトレイルレースが併設され、総勢500人を超える多彩なウルトラマラソン・イベントとなった。)

IAU100kアジア・チャンピオンシップ成績
男子
1位 Lee, Dong Mun (KOR)   7:23:20
2. 作田徹(作.AC)               7:26:20
3. 大島康寿(栃木陸協)       7:37:36
4. Lee, Kwang Yul(KOR)     7:43:03
5. Shin, Young Bee (KOR)  8:30:36
6. Bolivar Aliquin (PHI)        9:03:06

女子
1位 藤沢舞 (札幌市役所)   8:01:32
2.  浅野貴子 (リ・スタート)    8:44:59
3.  山澤洋子(茨城陸協)        8:53:11
4.  Da,Siou-Yu (TPE)            9:41:59
5.  Chung, Hee Kyoung (KOR) 9:55:04
   Park, Na Rae (KOR)      10:01:00 

一般の部
男子
1位 Thompson, Joseph (USA) 09:06:00

女子
1位 工藤真実 (日本)          7:56:06
Asian2010008.jpg


IAU50キロワールドトロフィー・ファイナル(ジブラルタル、10月31日) 2009:11:05:11:30:44

2009年11月 5日

平沢選手健闘及ばず21位
力の差を見せつけた南アフリカ、イギリス勢

第二回IAU50キロワールドトロフィー・ファイナルは10月31日、イベリア半島の最南端ジブラルタルで行われた。ジブラルタルは地中海と大西洋、ヨーロッパとアフリカが交差する地点。わずか6キロ平方メートルのこのイギリス領土には3万人の人々が住む。フェニキア人、ローマ人、ムーア人、スペイン人、イギリス人が残した偉大な文化遺産の融合より形成されている特異性は人々を魅了してやまない。

2009wt640000a.jpg 2009wt640015.jpg
ジブラルタルの海
ロックから望むジブラルタルの街・海

2009wt640003.jpg 2009wt640002.jpg
大会前日の平沢選手
レース前の平沢選手

一年のうち300日以上が快晴というジブラルタルだが、レース当日の朝から昼ごろまで、海上を覆う靄が広く陸地まで伸びて、10メートル先もよく見えない状況だった。
ところが、午後2時30分のレースが始まる頃には太陽が燦々と照りつける真夏のような気候となり、気温は25度にまで上った。

 

2009wt640005.jpg
スタートの直前、緊張の瞬間

同レースは、IAU認定の世界で11レースの選考大会から、男子3時間20分、女子3時間50分の基準タイムを突破したランナーの決勝大会。選りすぐりのランナー男子29人、女子11人が決勝に挑んだ。

日本からは今年のサロマ湖100kウルトラマラソン50キロの部で優勝した
平沢直樹選手(海外養蜂)が参加した。

 

50キロのコースは、海岸沿いで、最初の折り返し2キロの後、4キロの往復8キロを6回繰り返す。アップダウンが計7回、ところどころの急カーブや直角に曲がる狭いロードもある厳しいもの。

トップグループの中で駆け引きをしながら勝負する"戦略"を得意とする平沢選手は、スタートから飛び出し、先頭に立った。しかし、はやくも2.5キロあたりでアメリカのワーディアン選手がペースを上げ、後続の南アフリカのノンヤナ選手とともに平沢選手を抜いてトップに立った。平沢選手が想定していた以上のハイペースであった。5.55キロ過ぎからアメリカ、南アフリカ、イギリスの2選手がペースを上げ始めトップ集団となり、そこからはアメリカの選手を挟んで、南アフリカ、イギリスの2選手のトップグループの争いとなり、最後はデッドヒートの末、南アフリカのノンヤナ選手が抜け出して優勝した。

2009wt640007.jpg 2009wt640010.jpg
力走する平沢選手
平沢選手ゴール

2009wt640008.jpg 2009wt640014.jpg
優勝のルーカス・ノンヤマ選手(南アフリカ) 

レースのはじめから終わりまで、激しい日差しを受けて、ほとんどの選手がスポンジの水を頭からかけて濡れている。平沢選手は20キロ過ぎから先頭集団から離れ始めたが、ペースを乱さずに、安定した走りを続けた。38キロ地点では前を行く選手たちとの距離を縮めはじめ、上位入賞の可能性があると思わせた。

しかし、42キロの折り返し、最終ループに入るころから、脱水症状ぎみとなり、吐き気を感じ、足元がふらつくほどの走りとなってしまった。

強気に優勝、上位入賞を狙っていた平沢選手だったが、頻繁なアップダウン、直角の折り返しや曲がりくねった難コースが大きく立ちはだかった。
なにより、日射病の症状を招いた強烈な日差しは日本では経験がないことであった。

一時はリタイアか、と思わせるほどの状態であったが、最後の周回では気力で盛り返し、力強く完走を果たすことができた。
平沢選手にとって学ぶものが多い大会となったようだ。

2009wt640011.jpg

平沢選手ゴール後 "疲れた~"

成績
男子
1位 ルーカス・ノンヤマ(南アフリカ)2:58:03
2位 ポール・モリヌ(イギリス)   3:00:15
3位 マイケル・ワーディアンス(アメリカ)3:00:56
4位 デビット・カークランド(イギリス)3:03:10
5位 ジュリアン・レンダル(イギリス)3:12:35
6位 ピーター・ヴェルミシュ(ベルギー)3:13:40
・
・
・
21位 平沢直樹(海外養蜂)3:48:53

女子
1位 ピーター・セミック(アメリカ)3:29:48 
2位 モニカ・カリン(イタリア)  3:37:10
3位 レスリー・トレイン(南アフリカ)3:38:23
4位 ジューン・ペトリー(オーストラリア)3:44:35
5位 アマンダ・スティッケル(アメリカ)3:3:52:38
6位 ヒーサー・ファウンディング(イギリス)3:58:58

2009wt640009.jpg 2009wt640012.jpg
レース中ロック山上を舞う鴎
戦いすんで、夕日が海に沈む
2009wt640018.jpg 2009wt640016.jpg
IAU50k World Trophyファイナル2009完走証
(IAU&ジブラルタル陸上競技連盟)
IAU50k World Trophyファイナル完走メダル

 

<編集後記>

旅行もふくめて、これほどハプニングが多かったIAUの大会はめずらしかったですね。終わってみればご愛嬌ですがーー。

・レースディレクターが2日前に変更になった(理由は不明)
・レースコースが2日前に変更になった
・レース前日に渡されるはずのゼッケン2枚は、当日の昼ごろ1枚渡されただけ。留めるピンはナシ。
・スペシャルドリンクのデリバリー先がレース直前になるまで不明。
・ 不慣れなマーシャル。コース上にランナーが座り込んでも、どかせようとしない、などなど。

帰途、スペインのマラガで空港に向かうバスが急に止まり、1時間近くも動かない。空軍の飛行機の滑走路が道路を横断していて、現在は飛行訓練中という!!
その間何の説明もない。立ち往生した人も車もぎっしりで、訓練の終わるのを切ない気持ちで待たされました。私は飛行機の出発時間に余裕があってので、助かりましたが、そうでない人はどうしたのでしょうか?

そして、なによりマイッタのは、狭いミニバスに同乗していた、とある国の"アニメ声"の女性ランナーが、宿舎から空港までの3時間半、10秒の途切れもなく、甲高い大声でしゃべり続けたことです。
別れるときに"おかげさまで耳がこわれました"といいました(笑)。

2009wt640017.jpg

(レポート:小林荘平、写真:小林荘平・平沢直樹)


2009 第4回 神宮外苑24時間チャレンジ・ウルトラマラソン
(9月12日~13日)
 2009:10:08:09:38:38

2009年10月 8日

4回目を迎えた国内唯一のIAU公認24時間走競技会である神宮外苑24時間チャレンジ
(主催:神宮外苑24時間チャレンジ実行委員会・24時間走チームJAPAN、共催:日本ウルトラランナーズ協会)は、過去3回とも冬の雨、夏の猛暑と天候に恵まれてこなかったが、今回は一時的に強い雨に降られたものの、秋口開催とあってランナーにはむしろ恵みの雨だったようだ。
24時間走部門には日本陸連登録競技および一般の部・男女合わせて49人(エントリー50人)が出走し、IAU公認50kmの部には、男女合わせて19人(エントリー23人)が出走した。

img3.jpg24時間走部門の登録男子の部は、100kmやフルマラソンのスピードランナーや非公認で好記録の実績のある選手が前半から凌ぎを削る展開となったが、参加者中での公認最高記録を持つ井上真悟選手が抜け出して中盤もハイペースを維持し、終盤持ちこたえて国内最高記録の258.801kmで優勝し、国内X標準記録をクリアした。

2位には終盤に国内S標準記録の240km突破を目指して凄まじいスパートを見せた小沢和彦選手が入り、3位には序盤から安定した走りを最後まで貫いた安孫子亮選手が230kmの国内A標準記録を突破して食い込んだ。

登録女子の部も日本代表クラスの選手が複数参戦して盛り上がったが、白川清子選手が頭一つ抜けた実力をいかんなく発揮し、224.441kmの国内(大会)最高記録で初優勝した。

img4.jpg2位には春のトランスヨーロッパフットレースで女子優勝を果たした古山孝子選手が入り、長瀬陽子選手との接戦を逆転で制した松田嘉子選手が3位となった。

また、一般の部でも小野木淳さん、日浦泰博さんが熾烈な争いを演じ、総合成績でも登録の部と遜色ない走りを見せた。

登録の部の男女上位2人は、記録条件を満たしたため、2010年のIAU 24時間走ワールドチャレンジの日本代表選手に自動的に内々定となる。



 

ウルトラマラソン50kmの部は、国内では今年度唯一となるIAU公認記録会であるが、近年の100kmの日本代表選手、サロマ湖100kmの優勝者らが招待され、少数精鋭の中身の濃いレースが展開された。
男子は、高橋雅一選手が中盤にペースアップして先行する能城秀雄選手を捉えてそのまま逃げ切り、惜しくも3時間をわずかにオーバーしたものの快勝した。


img1.jpg

女子では、2週前の北海道マラソンでも快走した藤澤舞選手が、ほとんどぶれのないレベルの高いイーブンペースを刻み、3時間38分台の好タイムで優勝した。
2位には山田佐知恵選手が、やはり3時間50分の世界大会参加基準記録突破に相当する好タイムで入った。
img2-n.jpg大会は、その他6時間走に22人、12時間走の10人の参加があり、台湾からも8人の選手を招いて日台友好大会としても行なわれ、多数の運営ボランティアや選手のサポート者も含めて、選手のみならず関係各人がそれぞれの目標をもってチャレンジした24時間であった。


■ 24時間走 登録男子上位成績
1. 井上 真悟(のうみそJRC・埼玉) 258.801 km
2. 小沢 和彦(横浜中央走友会・神奈川) 243.193 km
3. 安孫子 亮(SARC・神奈川)  231.261 km
(出走26人)

■ 24時間走 登録女子上位成績
1. 白川 清子(横浜市陸協・神奈川) 224.441 km
2. 古山 孝子(杉並区陸協・東京)  208.585 km
3. 松田 嘉子(名神ダクトRC・大阪) 203.527 km
(出走8人)

■ 50km 登録男子上位成績
1. 高橋 雅一(東京陸協)   3:01:20
2. 能城 秀雄(千葉陸協)   3:05:29
3. 益田 清和(マラソン完走クラブ・宮城) 3:45:08
(出走14人、完走13人)

■ 50km 登録女子上位成績
1. 藤澤 舞(札幌市役所・北海道)  3:38:25
2. 山田 佐知恵(横浜市陸協・神奈川) 3:49:03
3. 金子 美保子(刀水AC・東京)  4:43:51
(出走5人、完走3人)

※ 全成績は こちら をご覧ください。
        (リンク先: http://sports.geocities.jp/jpn24rt/09jg24_resultstop.htm)



Page: 1 < 2  次の5件>>
TOPPAGEサイトの最初のページへ  TOPページの先頭へ 
  • 問い合わせ
  • リンク
  • サイトマップ
  • 選手登録案内
  • 協会について
  • HOME

JUA(日本ウルトラランナーズ協会)

日本ウルトラランナーズ協会


インデックス

  • トピックス
  • ニュース
  • レーススケジュール
  • レースレポート
  • サロマ湖100kmウルトラマラソン2010
  • IAU24時間走ワールドチャレンジ 2010
  • IAU100kアジア・チャンピオンシップ
  • IAU50kワールドトロフィー・ファイナル
  • 神宮外苑24時間チャレンジ2009
  • IAU トレイル・ワールドチャレンジ2009
  • IAU 100kmワールドカップ2009
  • 2009 IAU 24時間ワールドチャレンジ
  • IAU 100キロ、ワールドカップ2008
  • 2008 IAU 24時間ワールドチャレンジ
  • サロマ湖100キロウルトラマラソン
  • 第2回神宮外苑24時間チャレンジ
  • 2007 IAU トレイルワールドチャレンジ
  • 2007 IAU 50km トロフィー パレルモ
  • 2007 IAU 100km ワールド・カップ

検索



WGH Proサマーキャンペーン2010

blog

twitter

RSS2.0
Copyright© 2009 JUA(日本ウルトラランナーズ協会) Allrights reserved.
Powered by MT4.25