IAU100kmワールドカップ 2009

宮里選手が優勝!
男子団体も優勝、女子団体が3位の快挙

ベルーギーのトルホで6月19~20日に行われたIAU100キロワールドカップ2009で日本の宮里康和選手が、6時間40分43秒で強豪選手たちを制し、見事優勝した。
日本チームは各国上位3選手で競う国別対抗の団体戦でも優勝、女子も団体で3位に入賞という快挙を果たした。
日本の男子選手が個人優勝したのは2004年の三上康文選手(新電元)、2007年の渡辺真一選手(山陽特殊鋼)に続き今回で3人目となる。

今年で第23回となるIAU100キロワールドカップは、28カ国、200名余の選手により、ベルギーの西北部、フランドル地方のトルホで行われた。
スターと時間が夜8時で夜中を通して走るという稀有なレース。地元では「フランダースの夜」という愛称で親しまれている。
レースは夜8時とはいえまだ明るいうちのスタート。11時ぐらいにようやく闇が訪れる。
街中のゴール地点に設けられたステージではポップスの歌や演奏が行われ、そこを囲む多くのレストランやカフェに詰めかけた観客で歩くのもままならないほどの人たちでぎっちり。周回してくるランナーたちに熱い声援が飛ぶ。ビール片手に踊っている若者も多い。
12時を過ぎても人の波は絶えない。レースを媒介にしたお祭りと呼ぶにふさわしいイベントだ。


090620r-1.jpgレースはスタート直後から日本の宮里選手、高橋選手がスウェーデンの選手と接戦を演じ、トップグループを形成。40キロ地点でブラジルの選手が飛び出したが、宮里選手は60キロ地点で高橋選手を離し、70キロでブラジルの選手をとらえた。
90キロ地点でスウェーデンのブード選手に追いつかれたが、98キロ地点でロングスパートをかけ、見事振り切ってゴールドメダルを獲得した。
高橋選手も後半までよく粘り、6時間51分17秒で5位に入賞した。
ベテランの篠原選手(6時間59分01秒)もレース巧者振りを発揮して日本チームの団体優勝に貢献した。ワールドカップ初出場の作田選手(7時間14分57秒)、中台選手(7時間18分42秒)も最後までがんばり、完走した。
090620r-3.jpg

090620r-4.jpg
 女子選手は、藤沢選手と山澤選手が前半から軽快なフットワークで上位に追走。4周回の81キロ地点でペースダウンしたが、それぞれ8時間8分17秒、
8時間10分4秒と健闘した。初出場の太田選手も8時間22分30秒で完走、女子団体3位入賞に貢献した。井筒選手も脚部の故障を抱えながら、あきらめずに最後まで走りぬいた。 


090620r-5.jpg白夜とはいえ夜11時から4時ぐらいまではかなりの暗さになるレースで、特にひと気のない農道や、石畳のコースは選手たちにとって厳しいものであった。
ただ、街中での多くの観客による声援は選手たちを力づけたたようだ。
優勝した宮里選手は、「暗い農道では辛かったが、街中で多くの人たちが声援してくれたんのがとてもうれしかった」と語っていた。 


090620r-2.jpg日本選手9名は、不慣れな夜のレースにもかかわらず、それぞれ余すところなく力を尽くした。
さらに、選手各自が、日本チームのために頑張る、という気迫と団結の精神が見事に、快挙達成に結びついた、と言える。

【 成 績 】
■男子個人

1位 宮里康和 6時間40分43秒
2位 Buid Jonas(スウェーデン)6時間41分39秒
3位 Calcaterra Giorjio(イタリア)6時間42分4秒
4位 Boffo Mario (イタリア)6時間43分38秒
5位 高橋雅一(日本)6時間51分17秒
6位 Wonder Michael(アメリカ)6時間53分26秒
11位 篠原充 6時間59分1秒
18位 作田徹 7時間14分57秒
23位 中台慎二 7時間18分42秒

■男子団体

1位 日本
2位 イタリア
3位 フランス

■日本選手女子個人

藤沢舞  8時間8分17秒
山澤洋子 8時間10分4秒
太田尚子 8時間22分30秒
井筒一穂 8時間54分43秒

■女子団体

1位 アメリカ
2位 ロシア
3位 日本

 

album090620.jpg記事:小林荘平
写真:二木明彦、小林荘平