櫻井教美選手が5位入賞!フレンチアルプスの難コースで大健闘

第2回IAUトレイル・ワールドチャレンジ 7月12日
フランス・セレ・シュヴァリエ(Serre Chevalier)

イタリアトリノから車で幾つかの険しい岩山の間を縫って、急上昇、急降下をくりかえし、フランス国境に入るとそこがセレ・シュヴァリエ。
フレンチ・アルプスの端に位置するこのリゾート地には、多くの人々が冬はスキー、夏はロッククライミング、サイクリングなどのスポーツを楽しむために訪れる。
カスクをシッカリ被った、本格的ないでたちで懸命に急坂を漕いでいくサイクリストが多い。
明らかに60歳は過ぎているオジサン・ライダーもいる。
ポールを腰に差したハイカーのカップルなどが山を目指して歩く。ここは、サマースポーツのメッカだ。
目の前に聳える山の谷間には日の光を浴びた雪が白い。

一年の大半は快晴、というこの地の気候は、レース当日も冴えわたり、スタートの午前3時には、月が煌々と輝いている。
19カ国から集まったランナーは53名。トレイルランニングというよりマウンテンランニングというべきこの大会のコースは68キロ。
2679メートル、2895メートル、2427メートルの3つの岩山のピークを駆け、超える、というすさまじさだ。
スタート後4時間ぐらいから太陽が照りつけ、ランナーを痛めつける。

日本から参加したのは、昨年のハセツネ・カップの優勝者、2007年のIAU100キロワールドカップおよび第1回IAUトレイル・ワールドチャレンジ(アメリカ・テキサス)で優勝している櫻井教美選手。
レース前、優勝候補の一角に上がってもいた。
櫻井選手にとって、険しい岩山でのレースは初めてとあって、特にロッククライミングが厳しかったようだ。
レース中は2度、転倒した。渓谷の水を飲みまくった。そして、耐え、進んだ。
過酷で、不慣れなコースながら、大崩れすることなく、最後まで気力を保ち、5位に入賞した。見事というしか言葉がない。

女子のレースは、3分の2まで3位を走っていたイタリアのセシラ・モーラ選手がラスト20キロ地点で、イギリスの2選手を抜き去り、優勝した。

男子は、終始リードを続けたフランスのトーマス・ロブランシュ選手。
2位はスイス在住、ネパールのシェルパ・ダチリ選手。
両者ともこのコースを熟知しているベテランのマウンテン・ランナーだった。

成績
■ 男子

1位 LORBLANCHET Thomas FRA 6:38:18
2位 SHERPA Dachhiri NEP 6:56:08
3位 DIPPACHER Matthias GER 7:16:58
4位 GUICHARD Gilles FRA 7:19:44
5位 BREUIL Thierry FRA 7:26:28
6位 ZANOTTI Franco ITA 7:39:42

 

■ 女子

1位 NORA Cecilla ITA 7:53:18
2位 MUDGE Angela GBR 8:12:29
3位 HAWKER Elisabeth GBR 8:22:21
4位 DUBOIS Catherine FRA 8:42:30
5位 櫻井教美 日本 8:50:04
6位 PEDRERO Kenza FRA 9:22:24