2019 IAU 24時間走世界選手権代表選手 大会後コメント

楢木 十士郎

「キャプテンの楢木です。4期連続、24時間走の日本代表として出場させていただきまして、感謝いたします。結果としては、男子団体7位、女子団体6位、個人16位という結果で、メダルには手が届きませんでした。結果はしっかりと受け止めますが、今回の「選手・サポートスタッフ」のチームメンバーで各国と戦えたことを誇りに思います。この競技の面白いところは、「一人で走らない」ところです。時間が24時間と長いので、エール・サポート・情報・絆・日本からの応援、多くが結果に影響します。今回も後押ししてもらいながら走れたと思います。本当にありがとうございました。最後に、ここまで心身ともにサポートし続けてくれた妻と、レース中一番大きな声で応援し続けてくれた二人の息子に感謝の気持ちを伝え、この競技を締めくくりたいと思います。
ありがとうございました。」

 

高橋 伸幸

「24時間走世界選手権は前回のベルファストに続き2度目の参加になります。団体戦でメダルをとりたい。その想いをむねに2年間ランニングに取り組んできました。結果は男子団体戦が8位、個人では18位(248.788キロ)。力はだしきりましたが、結果が出せずに申し訳ない気持ち、自分の力不足を痛感させられました。
今回12時間をすぎてからいつもの感覚とは少し違い、足と気持ちにあまり余裕がない状態でした。それ以降は耐えしのいで走る展開が多くなりました。予期せぬことが起こるのが時間走、いい時もあればわるい時もある、絶対に復活する。気持ちではそう思っていても辛い時間がとても長かったです。辛い時に力になったのが、チームジャパンの存在、団体戦のチームメンバーの思い、現地や日本からの応援でした。監督、サポート、選手、選手のご家族、現地や日本から応援してくれた方々、自分の家族・・。皆様の力がなかったらこんなに走ることができませんでした。本当にありがとうございました。
時間走の難しさや世界の壁の高さを感じさせられ、どうすれば世界の選手と戦うことができるのか、練習をもっといろんなことを試していかなくてはいけない、と考えさせられています。答えは今はまだわかりませんが、今回の経験を活かしてもっと成長できるように一から時間走の考えや練習を積み上げて努力していきます。皆様の応援や支えから何度も力をもらい、団体戦やチームがあるから頑張れたことが沢山ありました。とても貴重で大切な時間を経験させていただきました。ありがとうございました。」

 

井上 真悟

「2010年のBrive大会でアジア記録を出したあと、同じ水準の練習を続けられなくなってしまったことがあります。確かに世界一にはなったけど、そのことは国内では報道もされず、誰に知られることもなく、自分は一体なんのためにこの24時間走という競技に打ち込んできたんだろう?と。ただ、30代後半〜40代が世界の一線で活躍するこの競技に対して、自分にはまだ選手としてピークを迎えるまでに時間的猶予があるともその時思いました。一旦は、競技そのものの認知度をひろめる活動をすすめ、自分が30代のラストを迎える2019年ないし2020年にもう一度、世界一に返り咲いてみせよう、と。最後まで、悔いなく闘えたと思う。だから今回で井上真悟の24時間走は終わりです。23歳で24時間走と出会い、今回で13レースを走りました。最高の競技人生でした。応援ありがとうございました。」

 

安孫子 亮

「『もう一度世界大会の舞台に立ちたい』との想いを持ち続け、24時間走に取り組んできました。多くの方の支えにも恵まれ、この度6年ぶりに世界大会に参加する機会をいただきました。大変貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。

自分なりに真剣にトレーニングに取り組んできましたが、今回は日本代表選手に相応しい走りが出来ず、団体戦での表彰台を目指す日本チームの士気を下げるような走りになってしまったことが申し訳なく、情けなく、残念でなりません。

お互いがライバルでありながら、日本チームとして励まし合う一体感は世界大会でしか味わうことのできないものだと思います。
いろいろなことを犠牲にしながら24時間走に取り組んでいる人が多いと思いますが、それだけの価値がある、目指し甲斐のある舞台であることを再認識させていただきました。

私にとって最も印象深かったことは
・「あと7時間しか走れないよ!」 というキャプテン楢木さんの叱咤激励
・2012年ポーランド世界大会で3位争いをしたフランス人選手(Ludovic Dilmi)と激励を交わせたことです。

24時間走に取り組んで10年以上たちますが、今回の悔しい経験を活かしてもう少し頑張ってみようと思っています。」

 

松本 ゆり

「応援、ありがとうございました。現地入りしてから風邪をひき、不甲斐ない結果で終わり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。2017年のベルファストに続き、2回目の世界選手権でした。故障により半年以上まともに走れない時期を経て、何とか間に合わせて手に入れた切符でした。レース前夜、厳しい24時間になる事が分かっていたので、絶対に途中ではやめないから苦しそうでもチームテントから送り出して欲しい旨を、サポートに頼んでいました。団体戦の為に距離を稼ごうと足掻きましたが、悪化し続ける体調には、何の誤魔化しも通用しませんでした。

スタッフ・選手とも素晴らしいチームJAPANの一員としてアルビに行けた事は、とても素晴らしい経験になりました。ご一緒したみんなに心から感謝しています。それと同時に、苦い思い出にもなりました。

今後、自分が24時間走に対してどう向き合っていく事になるか、現時点では分かりませんが、大好きな時間走の魅力を発信できる存在であり続けたいと思っています。ありがとうございました。」

 

楠瀬 祐子

「昨年のIAU100㎞世界選手権に続き、日本代表として世界で戦うのは自身2度目でした。貴重な経験の機会をいただき、多くの方々に感謝致します。今回は調子の波が何度も訪れ、浮き沈みの激しいレースとなりました。思うようにいかない自分の走りに何度も涙を流しましたが、サポートの方々の厚い支援や、日本からのたくさんの応援のおかげで、目標距離には届きませんでしたが、15位、自己ベストでフィニッシュすることができました。世界のレベルの高さを目の当たりにし、大きな刺激を受けるとともに、日本代表としてチームで戦う意義や心強さを感じながら走れたことは、私にとってかけがえのない経験となり、2年後の世界選手権では団体戦でメダルを目指したい!目指せる!という思いも強くなりました。今回の経験を今後に生かし、リベンジを胸にまたコツコツ頑張り、この舞台に戻ってきたいと思います。

 

兼松 藍子

「3度目の24時間走として出場させていただきました。過去2回、スタートに体調を合わせることができず満足のいかないレースとなりました。今回こそはと体調面に集中して当日を迎えることができました。長い長い24時間走、計画や予定はうまくいかなくて当たり前。辛いとき、痛いとき、苦しいときにどう乗り越えるか。たった2回の経験でも、学んだことを生かしたい。走るペースは、これなら24時間動けるだろうと思えるペースでいきました。周りのペースは速くて焦りそうになりましたが、自分はこれでいくんだと貫きました。当日は24度と暑くなったこともあり、涼しくなるまで無理はしないと徹底しました。そのおかげか思ったほどの発汗もなく、とても気持ちよく走ることができました。腹痛によるタイムロスがかなりあったのが悔やまれますが、それも含めて24時間走だと切り替えられました。残り5時間を切ると全身が痛くなり、テントに立ち寄ることも多くなりました。その度にサポートスタッフみんなが盛り立ててくれて、気持ちを切り替えさせてくれました。240km、頑張ってみようかなと思ったのはラスト1時間前。不思議なことに、240kmまでペースアップしたら、その後プツっと身体に力が入らなくなってしまいました。やはり気持ちのコントロール、脳を騙す競技なのだと再確認。24時間最後まで力走できなかったことは、次への課題となりました。

今回、男女8名の選手、4名のサポートスタッフ、監督、選手の家族、全員がチーム一丸となって24時間全力で戦いました。レース中は選手同士声を掛け合い、辛い時間帯も励まされました。家族の応援にパワーをもらいました。そしてテントでは頼もしいサポートスタッフが素晴らしい連携で選手をサポートしてくれました。素晴らしいチームに恵まれたことで、レース前もレース中もリラックスと集中の良いバランスで過ごすことができました。感謝の気持ちを忘れず、また次の目標に向かいたいと思います。ありがとうございました。」

 

青谷 瑞紀

「16回目の24時間走(内海外遠征8回)、4回目のアジア&世界大会となりました。各国に友人も増えてリラックスして臨めました。 夏の始めに開腹手術に踏み切り、50日間全く動けないところから2ヶ月で身体を作り直す事になりました。悩みましたが、闘病しながらチャリティ活動をしたり、走り続けている各国の女性ランナーから勇気をもらい、どんな状況でも前を向いて走ることに価値を見出しました。今後国同士がいかなる状況になろうとも、こういった選手への尊敬や、24時間を共に走り、友好を交わした事を思い出すでしょう。
今回は、誰が潰れてもストッパーとなり、それぞれが団体を意識し過ぎず自己ベストにチャレンジ出来ればと思って走りました。結果、皆を安心させるような走りは叶いませんでしたが、チームの様子を見ながら、各選手に少しずつでもケアしたいと思って走りました。
レースでは、休憩せずに笑顔で走りきれるようペースに注意しました。直前の走り込み不足と、開会式からの風邪や喉の痛みが残ってしまい、距離は伸びなやみました。ラスト、棤木キャプテンの気迫のファイト!と言うかけ声に鼓舞されて、1時間半くらいをしっかり飛ばして走りました。風になって走る気持ち良さと、各国の選手と励ましながら走ることは、私の原動力であり原点、本当に楽しかったです。」