2019 IAU 100kmアジア・オセアニア選手権は、11月23日にヨルダン南部のイスラエル国境の紅海に面するリゾート都市アカバで開催されました。選手権の部の総出走数は5カ国(日本、オーストラリア、インド、レバノン、ヨルダン)24名と小規模だったものの、日本からは国内のみならず世界的にも高いレベルにある男女各2名が参加しました。コースはリゾート居住地の10kmループを10周するもので、緩やかながら長いアップダウンと吹きさらす強い風。そして気温はさほど高くはないものの中東の強い日差しと砂漠地帯の乾燥した空気が厳しい条件をランナーに課しました。
男子は板垣選手が気温の低い朝のうちは世界記録ペースで飛ばしてリードしたものの、65km以降に失速すると、代わって山内選手が先頭を奪いました。しかし、山内選手も80km手前で突如エネルギー切れを起こしてペースを落とすと、復活した板垣選手が80km過ぎに逆転。しかし、山内選手も補給後にペースを取り戻して猛追し、95km過ぎに先頭に追いつき、最終盤にきてデッドヒートの白熱の展開となりました。結局、97km付近の追い風の下り坂でスパートして突き離しに成功した山内選手が2016、2018年の世界選手権連覇に続き、2019のアジア・オセアニアタイトルを獲得しました。板垣選手は残り1kmを切ったフィニッシュ目前に極度の脱水症状と疲労で崩れ落ちて立ち上がれなくなり、救急搬送されて途中棄権となりましたが、幸い大きなダメージは残らず、元気に帰国しました。
女子は、藤澤選手が脱水と消化器系の極度のトラブルを耐え抜いて優勝、安曇選手も後半の粘りの走りで3位と表彰台を確保しました。日本は3名で組むチームを構成しなかったため、個人のみの成績となりました。
【男子】
1. Hideaki Yamauchi(山内英昭) 7:11:42
2. Branden Davies(オーストラリア) 7:49:16
3. Deepak Vasudev Bandbe(インド) 8:04:16
DNF Tatsuya Itagaki(板垣辰矢)
【女子】
1. Mai Fujisawa(藤澤舞) 8:20:44
2. Amelia Griffith(オーストラリア) 8:57:02
3. Konoka Azumi(安曇樹香) 9:03:22