2023 IAU 50km世界選手権が11月5日(日)にインド・ハイデラバードで開催され、昨年12月の代表選考会で選考基準を満たした上でエントリーを希望した日本代表選手男女2名ずつが参加しました。大会1ヶ月ほど前に急遽コースが変更されるなど混乱しましたが、変更後のハイデラバード大学内の5km周回コースは一般車両の規制などの問題もなく、安全に走ることができました。そのコースは高低差を明らかに感じるプロファイルで、午前7:00のスタート時は雲りで20℃程度だったものの、レース終盤には日差しも出てきて気温も28℃くらいまで上がり、多くのランナーを苦しめたようで、大会には20ヵ国から男子59名、女子36名の95名がエントリーしていましたが、最終的に男子46名、女子31名が完走しました。
男子のレースは、序盤からスペイン勢がチームで先頭を引っ張る展開から最後まで走り切って表彰台を独占し、国別対抗戦も圧勝しました。日本勢男子の山口純平選手(ELDORESO)は、序盤は先頭集団から少し遅れる位置にいて、中盤に順位を下げたものの、得意の後半のラスト1-2周で先行する選手をパスして6位に食い込みました。甲斐大貴選手(JOHHOKU CABALLO)は、途中トイレに駆け込むなどのロスがありつつも、最後まで力強く走り切って14位でフィニッシュしました。
女子は、イギリス勢と米国選手で集団を形成してレースをリードし、結局5位までにイギリス選手が4名入り、国別対抗戦も他国を寄せ付けませんでした。藤澤舞選手(札幌エクセルAC)は、2014年にIAUが50kmを世界選手権として開催を始めて以来、すべての大会に日本代表として出場していますが、ベテランらしい安定した走りで後半に落ちてくる選手を捉えながら順位を上げました。最終周になってラストスパートした欧州勢に抜き返されながらも9位と一桁順位は守りました。ウルトラマラソン未経験ながらフルマラソンの実績にてワイルドカードで代表入りした元強豪実業団所属の池本愛選手(東京陸協)は、中盤まで先頭グループに次ぐ位置でレースを進めながら、後半にスタミナ切れでスローダウンしてウルトラマラソンの洗礼を受けつつも、最後までしっかりとした足取りで完走を果たしました。また、日本は男女とも3選手が揃わなかったため、国別対抗戦は対象となりませんでした。
50kmレースは単なるフルマラソンの延長というだけではない特性もありながら、マラソンからウルトラマラソンへの導入的種目として考えられており、フルマラソンで実力、実績のあるランナーがいきなり100kmに挑むのではなく、50kmでスピードウルトラマラソンの力試しをすることも選択肢としてあってもよいでしょうし、世界大会への日本代表としての出場のチャンスもあります。JUAは、今後もその機会の提供、支援をしていきます。
【男子結果】
1. LACHGAR LATRACHE, Chakib(スペイン) 2:48:20
2. JIMENEZ VICENTE, Alejandro(スペイン) 2:49:30
3. OLMOS PASCUAL, Jesus Angel(スペイン) 2:50:12
6. 山口 純平(日本) 2:53:28
14. 甲斐 大貴(日本) 2:57:29
(完走46名)
【女子結果】
1. MOLINARO, Carla(イギリス) 3:18:23
2. POMARANSKI, Andrea(米国) 3:19:07
3. WEBSTER, Sarah(イギリス) 3:20:07
9. 藤澤 舞(日本) 3:25:10
20. 池本 愛(日本) 3:42:40
(完走31名)