2015 Grand Trail des Templiersは、10月25日にフランス中南部の町Milleauを基点とする約75km、累積標高差約3000mのコースで開催され、日本からチー ムとして招待された代表5選手が健闘した。大会のメインは、ホスト国のフランスチームが世界各地域(ヨーロッパ、アメリカ=USA、アフリカ=南アフリ カ、アジア=日本)の選抜チームを迎えて競うチーム対抗戦で、各チーム上位3選手の順位を単純に加算したポイントの少ない順に順位が決まる。
男子個人では、フランスのBeboit Coriが6:44:10で昨年に続き連覇し、同じくフランスのNicolas Martinが2位に続いた。他チームでは、アメリカのAlex Nicholsが5位、6週間前の100kmロード世界選手権でチャンピオンになったJonas Buud(スウェーデン)は8位に入った。日本勢は近藤敬仁の13位が最高だった。女子は、昨年と2010年に100kmロード世界選手権で2度優勝しているEllie Greenwood(イギリス)が7:58:06で優勝した。
世界地域チーム対抗戦では、男子はフランスが個人で1、2、7位に入り、他チームを圧倒して優勝した。チーム・USAはNicholsが5位に入るなど合計タイム では2位のチーム・ヨーロッパを上回ったものの、順位ポイントで及ばす3位に甘んじた。日本は結果的に南アフリカとの4位争いが接戦となったが、チー ム3番手の須賀暁の後半のがんばりもあって、合計タイムでは負けていながら、順位ポイントでわずか1ポイントの僅差で上回り4位を確保した。なお、チーム対象ではないが、スペインは上位3選手のポイントが13ポイントで、10ポイントで優勝したフランスと遜色ないレース内容だった。女子は個人優勝者のGreenwoodを含むチーム・ヨーロッパが優勝した。日本は女子チームは不参加だった。
【個人総合結果】
1 Benoit CORI(フランス) 6:44:10*
2 Nicolas MARTIN(フランス) 6:47:14*
3 Tofol CASTANYER(スペイン) 6:48:03
4 Miguel HERAS(スペイン) 6:53:45
5 Alex NICHOLS(アメリカ) 6:55:20*
6 Pedro Jose HERNANDEZ SANCHEZ(スペイン)7:08:14
7 Emmanuel GAULT(フランス) 7:11:19*
8 Jonas BUUD(スウェーデン) 7:13:34*
9 Nicolas BOUVIER GAZ(フランス) 7:23:54
10 Sylvain COURT(フランス) 7:25:49
10 Martin REYT(フランス) 7:25:49
12 Nicolas DUHAIL(フランス) 7:31:10
13 Yoshiihito KONDO(日本) 7:33:29*
23 Koji MORIMOTO(日本) 7:54:04*
31(29) Satoru SUGA(日本) 8:14:17*
115(101) Tomonori ONITSUKA(日本) 9:38:45
117(102) Keita KOBAYASHI(日本) 9:38:48
* 世界地域チーム対抗競技ポイント獲得選手
( )は男子順位
完走1923人
【フランス対世界地域チーム対抗競技・男子】
各チーム上位3選手の順位の合計ポイント(同ポイントの場合は合計タイム)で競う。
1 チーム・フランス 10 ポイント (20:42:43)
2 チーム・ヨーロッパ 46 ポイント (22:45:47)
3 チーム・USA 49 ポイント (22:39:45)
4 チーム・日本 65 ポイント (23:41:50)
5 チーム・南アフリカ 66 ポイント (23:40:32)
【日本招待選手コメント】
近藤敬仁
「怪我のため、まともな練習があまりできないままでの出走となりました。正直どうなるか解りませんでしたが、今の自分の最善を尽くそうと思い挑みました。結果として13位でしたが、現状の最善は尽くせたと思います。もっと練習を積めていれば一桁順位はいけたと思いますし、また挑戦できるのであれば、そこを目指したいです。そしてもっと日本をアピールできたらと思います。今回、フランス最高峰のレースで世界の強豪と共に走れた事を嬉しく有り難く思います。」
森本幸司
「レースの結果は皆で話し合った団体戦5チーム中3位には届きませんでしたが、個人的には持てる力を出せて満足しています。しかし自身の実力を思い知らされた感じもあります。今回の経験をもとに、またこれからレベルアップできればと思っています。」
須賀暁
「日本代表として出場する大事な試合でしたが、コンディションが上がらず最後まで苦労しました。それでも諦めず走りきれたのはチーム戦の力であり、 それこそが魅力だと思います。また招待チームということもあり、現地では手厚い歓迎を受けました。再び挑戦できるのであれば上位に入り、大会を盛り上げるという形で恩返しがしたいです。最後になりましたが、沢山の応援、サポートに心から感謝致します。」
鬼塚智徳
「結果については、チームに貢献する事が出来ずに残念ではありますが、世界のスピード、パワー、層の厚さを間近で体感することが出来て本当に良い経験でした。この経験を肥やしにして次に繋げていきたいです。」
小林慶太
「チーム目標3位でしたが、結果は及ばず4位となりました。各個人、それぞれ狙い通りの走りをし出し切った結果ですので、現状の実力だったと受け止めています。個人としては、不得意ながら前半33km地点までのフラットなパートまである程度の順位確保したところまでは計画通りでしたが、その後脱水症状気味になり水切れもしてしまいレースが終わってしまいました。」