第7回神宮外苑24時間チャレンジ(兼IAU 24時間走世界選手権代表選手選考指定大会)が10月7-8日に東京都新宿区の神宮外苑聖徳記念絵画館周回歩道コース(日本陸連公認)において、台湾からの国際友好出場を含む全国21都府県から総勢82人(男子67人、女子15人)の出走者を集めて開催された。
男子の部は多数の有力選手がハイペースで凌ぎを削る予想通りの展開となったが、終盤には3選手の見ごたえのある優勝争いに絞られた。結局、ラスト2時間で満を持して首位を奪った本田正彦(M.HIRATSUKA)が逃げ切って2年連続3回目の優勝を飾った。記録は257.634kmと日本歴代6位の好記録だった。49歳の本田は9月8-9日の世界選手権の代表として240km超を走破しており、わずか1ヶ月間隔でのこの成績には誰もが驚嘆し、観衆を感動させた。レース巧者の本田の前に屈して2位となった24歳の小谷修平(東京陸協)だが、昨年の自己記録を一気に36km以上更新する256.861km(日本歴代7位)を走り、その若さからも今後のさらなる飛躍が嘱望される。中盤にレースをリードした楢木十士郎(福岡陸協)は、ラスト4時間以降で脚を痛めて後退したものの、252.387kmを記録して3位を確保した。初めての24時間走挑戦としては大きく賞賛される成績であろう。年代別では、総合5位の日浦泰博(JUA)が245.710kmと50-54歳の日本最高記録を樹立し、さらに日本代表経験もある黒田宗治(24時間走チームJAPAN)は、60-64歳の道路日本最高となる208.321kmを記録して健在ぶりをアピールした。
女子の部はスタートから圧倒的なスピードで抜け出した24時間走初挑戦の坂根充紀栄(舞鶴クラブ)が、100kmで大会記録、100マイルで道路アジア記録を更新するなど攻めの走りを見せた。後半に入ってやや勢いは緩んだが終盤にはまた持ち直し、2004年に稲垣寿美恵が記録した237.154kmの道路アジア最高を8年ぶりに6km以上更新する243.381kmで初出場初優勝を成し遂げた。1位とは大差がついたものの、岡さゆり(Team ZERO)は終始リズムの良い走りをキープし、S標準を突破する222.982kmと快走して2位となり、世界選手権代表切符を手中にした。初挑戦の昨年はあえなくリタイヤした吉村真澄(菊里クラブ)だったが、経験を積んで “24時間走の感覚”を掴んでの今大会の参戦で、見事に自己記録を更新する209.186kmで3位に入賞して雪辱を果たした。小川久美子(東京陸協)は当大会を通してウルトラランナーとして着実に成長してきている選手だが、ついに今回200kmを突破してその実力をアピールした。
今大会は天候に恵まれたこともあるのか、上位選手のみならず全体的に好記録が続出した。男女併せて220km超が10人おり、そのうち7人が240kmを突破する快挙に加えて、200km超が全出走者中の1/4以上の22人を数え、まさにIAUゴールデンラベル大会としての面目躍如の成果となった。これもひとえに走路整理とエイドのボランティアスタッフの心のこもったサポートのおかげであり、参加者からは一様に感謝の言葉が聞かれた。
【上位成績】